生涯覚えていること "Revenna" の記憶

#140

"Ravenna"  2020年12月6日作成/2022年8月7日リミックス

実は2020年に何をしていたか全く覚えていませんが、体調も回復ついでに古い曲のリミックス特集を始めました。

2020年はもうコロナが始まっていたのでそんなに昔ではないのですが、どのギターで何を使って弾いたかすら覚えておらず、その辺の忘れん坊体質がこのブログ開始につながるんですけどね…

実は曲 "Ravenna" はここでは未発表でした。

オリジナルはドラムがエレクトロ風でご陽気なのですが、今回、SSD5.5で打ち直し、ストリングの整理などしてみました。

イタリアのラヴェンナに行ったことがあります。

1989年だから33年前になります。

学生バックパッカー2度目の旅でした。

ちゃんと覚えていないんですが、ベローナの後、東へ行こう!原始キリスト教の街に、モザイクを見に行こう、と進路を決めました。

反対によーく覚えているシーンは、その東へ向かう列車の中。同じコンパートメントに老齢の神父さんらしき黒装束と同席したこと。

しばらくは黙っていましたが、「どこへ行く?」と問われ「ラヴェンナ!」と答えました。

すると、「オー、ラヴェンナ~!(ラにアクセントあり)、とても良いところだ」的な回答。その後どんな話をしたか、全く覚えていませんが、あの「ラヴェンナ~!」の穏やかな言い方と、遠くの眺めるような眼が、今も五感に残っています。

その車窓がまた美しく、北イタリアの典型的な農村風景。緑一面でところどころに糸杉のような高木がある、ただ見ているだけで涙がにじむような、穏やかな原風景。

開けた窓から入った何かの綿毛が車内に漂っていたのを覚えてます。

一生のうち一度しか味わえないような風景、情景は、知らず知らずに訪れているんですね。その瞬間はそこまで大袈裟にとらえないのだけど、あとで振り返ると、生涯の大事なシーンだった、と思えることがあります。

ラヴェンナの街自体もひなびた郊外観光地で、穏やかに3日ほど過ごした気がします。

でも、そこ行く途中が自分の中のラヴェンナ感に満ちている気がします。

 

ではまた / Rint Tak